ウェブデザインが苦手なプログラマーたちへ「XHTML+CSSデザイン 基本原則、これだけ。」 - elm200 のノマドで行こう!

さすがデザイナーたちが作った本だけあって、装丁も美しい。見開き2ページで1トピックが簡潔にまとめられているのもいい。ページのレイアウトもきちんとした2カラム構成で読みやすい。まるでそれ自体がウェブページのようである(意図的かどうかは知らないが)。

だが、実践的で見た目の美しさだけが売りの安直なハウツー本ではない。骨太の哲学に貫かれている。引用しよう(p 16)。

Webデザインとは、情報を整理してユーザーに提供するということ

Web デザインというと、どうしても見た目を画像で華やかにしたり、Flash などを使ったインターフェイスを提供することだと考えがちです。確かにそれも Web デザインの一つでしょう。本来 Web は、誰もが環境に左右されず情報を入手できるものであるべきです。わかりにくい Web では意味がないのです。Web サイトに求められていることをうまく整理し、シンプルでわかりやすい情報構造にして伝えなければなりません。

すべてのデザインは、「情報を整理してユーザーに提供する」ために奉仕しなければならないと宣言しているのである。そして、この根本的な命題に沿って、本書は、

ウェブデザインの哲学
マークアップXHTML)
装飾(CSS)
トラブルシューティング

という順序で記述され、抽象→具象、概要→詳細、幹→枝葉へと見事に構成されている。編集者を交えてよほどよく内容を練った跡がうかがえる力作である。